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2012年1月22日 (日)

抱腹絶倒 上念司「日本は破産しない!」を読み解く①

 2010年刊行の上念司「日本は破産しない!」が、文庫化されて今月発売された。

 

 たった一冊の本に、多くの誤謬と、論理そのものの矛盾が満載である。

 

 これが趣味の本であるなら、どんなにいい加減な内容でもいいだろう。

 しかし、上念司はいちおう国策を提言しているのであるから、国民の一人として看過するべきではないと思った

 今回は、第一章をとりあげる。ページは、文庫本に準拠している。

P21 「そもそも国家破産なるものは、固定相場制の国に特有の現象であって、変動相場制の日本では起こり得ない話なのです。」

→そうですか、そうですか。。。

 だったら、1997年のタイ・韓国の経済危機、1998年のロシア財政危機、2008年のアイスランド経済危機(通貨はアイスランド・クローナ)などは、どうやって説明するのだろう???

P38 「変動相場制という柔軟の極みにいる日本においては、日銀が債務のリストラどころか市中国債を大量に買い入れて事実上の早期償還を実行することで、日本の巨額の債務問題を解決しても何の問題もないということになります。債務不履行どころか、債務の事実上の早期償還ですから、国家破産もしないわけです。しかも、国際買い入れのために通貨を大量発行すれば、デフレ脱却にも大きな効果があります。」

→通貨価値をどんどん下げることによって、借金を消してしまおうということだ。

 つまり、貸している側(国民)は大損である。

 具体的には、銀行預金・タンス預金・郵貯・国債・生命保険の積立金などがほとんどパーになるということだ。

 そして、上念司は、以下のように、決定的な自己矛盾に陥っているのである。

P37 「つまり、デフレが終わらない限り、国債に投資しておいた方が有利だから国債を保有しているという極めて合理的な判断が働き、国内投資家が日本国債を投げ売りするという状況もあり得ないわけです。」

→ ということは、デフレが終わって僅かでもインフレになれば、日本国債以外のものに投資した方が有利という極めて合理的な判断が働き、国内投資家が日本国債を投げ売りする状況になりうるということではないか!

つまり、デフレ終了→日本国債が暴落 ということだ。

だったら、デフレのままのほうが、まだマシということになりはしないのか?

P33 「現在、日本の輸出産業は円高に苦しんでいるので、そも為替レートが一気に円安になれば、逆風が一気に追い風に変わることになります。海外での売上が、何もしなくても30%増加することになるからです。また、農業や衣料品のような海外企業と競合する国内産業は、円安によって海外からの輸入品の値段が上がることで、国内市場での競争力を増すことになります。まさにいいこと尽くめです。」

P40 「繰り返しになりますが、騙されてはいけません。日本は破産しません。絶対に。というか、無理やり破産させようとしても、結局は極端な円安になるため、日本経済はV字回復してしまうのです。」

→床屋談義以下である。

 貨幣価値が下がることで国の経済がV字回復するなら、米国やアイスランドや韓国経済はとっくにV字回復しているはずだろう。

 

 極端な円安になれば、石油や食糧の輸入にも困ることになるだろう。

 また、日本経済の成長を妨げている以下の要因については、上念司の経済理論では、無視してよいものなのだろうか?

 超巨額な社会保障費・労働人口の激減・人口減による国内市場の大縮小、基礎学力の低下、最低賃金法、企業が負担する社会保障費・フェミニズム政策による私企業経営への過度な介入、高すぎる法人税、「脱原発」などで不安定なエネルギー政策・・・

P33 「つまり、外国人が日本国債を投げ売りすることはあり得ないし、もし仮にそんな事態になっても日本が破産することはないというわけです。」

 →ここまで言い切ってしまうとは、上念司は、もはや新興宗教の教祖そのものである。

  未来のことは誰にもわからない。数分後の相場が予測できるなら、誰でも大富豪になれる。

  そもそも、上念司は、自分の資産を「個人向け国債」で運用しているのだろうか?

(続く)

 

 

 

 

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コメント

冷静に考えれば、中学生でも「おじさん、何言っているのかわからない」という話なのですが、上念の本なんて、買う人がいるんでしょうかね?

チャンネル桜に出たり、勝間和代をヨイショしたり、三橋貴明と対談本を出したりで、それなりに信者を抱えているのでしょうか?

三橋貴明のお笑いバランスシートについては、私のブログでも取り上げましたが、精神の平衡感覚さえ持っていれば、中高生でも分かる嘘に、多くの人が騙され、お布施をしているかと思うと、気の毒に感じます。
私たちは単純にお笑いネタだと思って、楽しんで見ていた方が、精神衛生上は良さそうですね。

三橋貴明"風説の流布"疑惑
http://megu777.blogspot.com/2012/01/blog-post_22.html

megumi さま
>>冷静に考えれば、中学生でも「おじさん、何言っているのかわからない」という話なのですが、上念の本なんて、買う人がいるんでしょうかね?

 
 上念は、喩え話も無茶苦茶ですね。つまるところ、文才がないのでしょう。

ブログ、嬉しく拝見しました。
上念司のお粗末な論は、小生も上記「ネット松下村塾」というところで、3回にわたって批判しております。
ここまでお粗末なのに、三橋だとか倉山だとかとともに、真っ当な保守に入り込みつつあるのを危惧しております。
ともに、しっかり叩いていきましょう。

稻田雅彦さま

 ブログを拝見しました。
  上念司の最新作『経済ニュースのウソを見抜け!』 も、「日本は破産しない!」の焼き直しにすぎません。それはそれは低レベルです。

 上念司、倉山満、三橋貴明、藤井厳喜などは、日本の財政破綻を狙う、ニュータイプの反日極左ですね。

管理人様 稲田雅彦様

御久し振りです。ニュータイプの反日と言えば、摘菜収、コヤツも御気を付け下さい。何せ、「ニーチェ信者」ですので。

ストライクイーグルさま

 適菜 収もまた、学問といいうる業績はゼロの、自称・哲学者ですね。
 どうやら、スーパーアナーキスト福田和也の後継者候補のようです。

先週末の維新政治塾(橋下の)の講師は、高橋洋一だったそうです。そのことを教えてくれた創新党幹事・政策委員の友人にこうメールしました。

高橋洋一氏なんかが
維新政治塾の講師やるんですねえ。

あの人に限りませんが、
財務省や財務官僚を悪者にし、
日本財政に問題がないかのように言う論者が、
意外と根強いものがありますね。

個人的に問題を感じるのは、
そういう論はポピュリズムに結びつきやすいということです。
日本財政の問題は社会保障制度の問題で、
それは国民が既得権者になっている
国民自らの問題です。
どこかに隠し金があるとかないとかの問題に転じてしまうことは、
私は害悪だとさえ思います。

共同体の構成員には、共同体に対する義務があります。
国民には国家に対する義務があります。
それは第一に防衛、第二に納税でしょう。
身を呈して国を守る義務などというのは口にするのも憚られるのが戦後日本ですが、
納税の義務からすら遠ざかっていくとなれば、
それはもはや国民ではないでしょう。

国家・国民・共同体といった価値を重視する立場の人たちが、
こういう論にからめとられていく様は
歯がゆい感じがしております。

稻田雅彦さま 

三橋や上念は、出鱈目な詭弁家ですが、生粋の民間人です。
 元・財務官僚の肩書で、「埋蔵金がたんまりある」という高橋洋一は、はるかに罪が重いと思います。
  

 どうして国に金がないのに会社や個人にお金があるのでしょうか?(国債が発行できる理由はここに有ります。)
 過去の時代にはほとんどの国において、国家に金はあっても個人には有りませんでした。現在は国に金がなく民間に金がある米国のような国があれば、中国のように国が(国有企業)が国を持っている国も有ります。
  結論は、政治的理由で(国民への人気とりで)税金を取らない国と、税金を取る国の違いに有るようです。とにかく日本の国債の有り方は異常です。
 終戦のときは全ての国債が消されてしまいました。これも解決の一つです。今後どのように決済するのか誰も計画を明らかにする人はおりません。・・・・学者か評論家の中から解決策を発表する方が出てもよいと思います。

 どうして国に金がないのに会社や個人にお金があるのでしょうか?(国債が発行できる理由はここに有ります。)
 過去の時代にはほとんどの国において、国家に金はあっても個人には有りませんでした。現在は国に金がなく民間に金がある米国のような国があれば、中国のように国が(国有企業)が国を持っている国も有ります。
  結論は、政治的理由で(国民への人気とりで)税金を取らない国と、税金を取る国の違いに有るようです。とにかく日本の国債の有り方は異常です。
 終戦のときは全ての国債が消されてしまいました。これも解決の一つです。今後どのように決済するのか誰も計画を明らかにする人はおりません。・・・・学者か評論家の中から解決策を発表する方が出てもよいと思います。

>P21 ~
ジンバブエを説明してください。

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