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2011年8月 9日 (火)

高齢化社会でも社会保障負担が増大しないと主張する上念司

「正論」2011年11月号 上念司『経団連よ、この国難に道を踏み外すな』

には、こう書いてある。また、段落は、読みやすいように、便宜上保守イチローがつけた。

日本経済が停滞している原因はデフレという日銀が引き起こした人災である。人口デフレ論の意味するところは政策担当者の責任逃れでしかない。

 しかも、世界の人口統計を少し調べれば、人口減少国でこれだけ長期間デフレになっているのは日本一国しかないことはすぐにわかるはずだ。

 また、彼らの言うとおり人口減少社会であったとすれば、たとえば今から五十年後に団塊の世代も団塊ジュニアも死に絶えた時点で、社会保障費は「増大」どころか大幅な減少に転ずるのが論理的帰結である。

(引用終わり)

 日本の労働人口は、1995年から減少している。実際には、中卒で働く人は少ない国であるので、実質的に働いている人間は激減しつつある。

 また、高齢化度はすでに世界一であり、年金の給付水準も受給する年数も、先進国と比べてきわめて高い。

 さらに、年金、医療費、介護保険で、現役世代が高齢者に搾取される「世代間扶養」として、各制度が運用されている。

 これらが、日本経済の停滞を招いている原因でないとするのには、無理がありすぎるというものだろう。

 また、日本の総人口減少は、団塊ジュニア世代が出産する年齢でなくなったとき、つまり今から本格化するのである。

 「人口減少国でこれだけ長期間デフレになっているのは日本一国しかないことはすぐにわかるはずだ。」という主張は、意味不明というほかない。

「たとえば今から五十年後に団塊の世代も団塊ジュニアも死に絶えた時点で、社会保障費は「増大」どころか大幅な減少に転ずるのが論理的帰結である。」

→あまりにもバカバカしくて、論評する気も失せる。

 団塊ジュニアがほぼ死に絶えるのは、2060年頃であろうか。そのとき、社会保障費の絶対額は減少しているのかもしれないが、いまの出生率から推定すれば、日本の労働人口は壊滅的に激減しているはずだ。経済規模も大幅に縮小しているので、日本社会が抱えこむ社会保障費の負担は、2011年現在よりもはるかに重いものになる。

上念司には、

『日本は破産しない!~騙されるな!「国債暴落で国家破産!」はトンデモ話だ!』という著書があり、要約すれば、

 どれだけ国の借金がかさんでもお札を刷ればいい(国債は日銀が引き受ければいい)のであって、その結果多少のインフレになるにしてもデフォルトはありえない、むしろ円安になって日本は復活する、という主張である。

 とにかく、三橋貴明と上念司は、1.日本は財政危機にはない。2.国債を刷りまくればデフレ脱却で日本経済は復活する。

 という主張において瓜二つである。

 お二人の著書は、楽しんで読ませてもらっている。

 両者が違うところといえば、詭弁の才が、三橋は一流、上念が三流以下ということだろう。

 別な言い方をすれば、上念司は、三橋貴明の劣化カーボンコピーに過ぎないのではないかということだ。

 

 参考文献:岩上安身 日本人が消滅する日 

http://iwakamiyasumi.com/archives/2278

http://iwakamiyasumi.com/archives/2284

http://iwakamiyasumi.com/archives/2288

http://iwakamiyasumi.com/archives/2290

http://iwakamiyasumi.com/archives/2293

 

 

 

 

 

 

 

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コメント

私もすっかり常連コメンテーターになってしまいましたね(笑)。

三橋貴明、上念司、廣宮孝信など、ド素人達が書く「日本経済は安泰だ」シリーズを読むと、ことごとく同じことが書いてありますね。

引用元や数字の計算根拠も良く分からない資料も多く、学術論文、学術書の書き方一つ知らないのが丸見えなので笑ってしまいます。

私たちから見ると、この手の本はその辺のサラリーマンが居酒屋で政府の悪口を言っているのと変わらないレベルなのですが、そこが案外大衆受けして儲かるんでしょうね。

しかし、そんな大衆受けするかどうかが国家の政策に用いられるとなると、とんでもない話になりますね。

かつて、ゲッペルスが言いましたが、大衆とは、かくも簡単に操られ、民主主義は容易に全体主義に転化するという標本のようなものです。

『大きな嘘ほど大衆は疑わない』(by ゲッペルス)

megumiさま

>>しかし、そんな大衆受けするかどうかが国家の政策に用いられるとなると、とんでもない話になりますね。

 そう思います。
 それなのに、自民党が三橋貴明を参院選の公認候補にしたことは、不見識も甚だしいですね。

 

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