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2011年1月10日 (月)

「保守主義」雑考ーオルテガ『大衆の反逆』

 1930年刊行。

 「大衆」が政治に参加するようになった。

 「大衆」は、目先の利益しか頭にない。

 「大衆」は、ある一つの政策が実行された場合に、どこにどういう影響をもたらすのかには、何の関心もない。

 「大衆」は、政治哲学的見地から沈思黙考することなどできず、きわめて煽動されやすい。

 「大衆」には、国家百年の計など、何も理解できない。

 それを、「俺には分かる」程度に自負しているから始末に負えない。

 そして、政治家は、「大衆」の票欲しさに代弁者になってしまうことが常に起こる。政治家が「大衆」に平仄を合わせてしまえば、政治は台所感覚になり、たちまち国家はマトモに運営できなくなる。

 なお、「大衆」とは、「下層民」や「教育を受けていない人たち」とイコールではないことが、きわめて重要である。

 ヨーロッパが豊かになり、人口は激増した。

 そこに、「科学者」という職業人が台頭してきている。

 科学は、どんどん細分化している。

 とくに、実験科学であれば、肉体作業に近いから、けっこう誰にでもできてしまう。

 頑張れば、すごく狭い分野における専門家になれる。

 そして、彼らは、となりの分野のことすら、興味も知識もなく、しかもそれを誇りに思っていたりもする。

 そういった、「科学者」が、政治参加をするとき、「大衆」になってしまう。

 また、教員や医者など、「学がある」と思われているような職業も、同様の機序で「大衆」になることでは同じである。

 政治哲学の立場から考えたら、「下層民の大衆」と「学がある大衆」との間に、本質的な差異はなにもない。

 1930年の時点で、これだけの知見を喝破したオルテガとは、独創性において超一流の哲学者・思想家だと思う。

 また、

 ギュスターヴ・ボン『群集心理』

 ホイジンガ 『朝の影のなかに』

 などの世界的超ロングセラーも、「大衆」の理解に参考になる。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

何しろ「大衆」を「侵略者」とまで表現している位ですから。これ又「産経・正論・ウィル・撃論・桜」知(痴?)識人の不甲斐無さは、「大衆」「デモクラシー」への批判が、先ずもって無く、脳天気に「民主主義を守れ!」と絶叫している事です。「大衆」に基盤を置くという点では、「保守もどき」の民族派も、勿論極左も同じです。

こんばんは、ストライクイーグルさん。

「知」は「痴」にして構わないと思いますよ。

何せ貴方が挙げたメディアに巣食っている人間に真正保守主義を学んだ人間はごく僅かしかいません。

民族派(反米無政府主義者)など左翼と五十歩百歩です。

自分達が保守派たりえない事を自覚していないばかりか、それを名乗る資格すら無い事に全然気が付いていないのですから。

ストライクイーグルさま
錬金術師さま
 民族系は、極左と本気では闘いませんね。
 しかも、「国民主権」に立脚しているのも特徴です。そして、たいていは反米を基調にしています。バークやバジョットなんて、読んだことがないのでしょう。「民族系」と「保守主義」とは、無関係といいうると思います。
 蛇足ですが、お願いだから、松下政経塾の連中が「新保守主義」とか、テキトーなことを言わないで欲しいです。

民族派の特徴としては、保守を語りながら「人権」を全面に押し出して活動する点でしょう。

例えば、チベットやウィグルに関して中共を非難する際に、「チベット・ウィグルの人権を守れ」と掲げています。
「自由を守れ」ではなく、飽くまで「人権を守れ」とするところに、彼らの思想出自が明らかと成っております。

追記です。

民族派は、露西亜の少数民族弾圧や武力鎮圧については、全く糾弾する様子はありません。
ここにも思想出自が開陳されております。

錬金術師様 shinseihoshu様

確かに民族派は左翼と五十歩百歩どころか日共・全共闘に告ぐ「第三の」セクトと看做した方が理に適います。そうした意味で中川先生の著作群は大いに参考になります。中川先生の今後の奮起に大いに期待しましょう。桜井よしこ等、民族派が中共・北鮮を批判するのに「人権」「民主主義」を持ち出し、ロシアに到っては、ほぼスルーなのも連中が無意識に「ハートランドに飲み込まれたい」とする「願望」が有るのでは。暮々も御用心。

民族派でも、故人ですが、稲垣武「悪魔払いの戦後史」や中村粲「NHKウォッチング」などは、本気で闘う姿勢を、打ち出し、じつに立派な内容だと思います。
 しかし、その下の世代となると、イデオロギー以前に、基本的な知識量が怪しいです。 
 

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