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2010年1月16日 (土)

山本肇「少子亡国論」かんき出版

 1998年に出版された。少子化問題を考えるなら、必読の書である。出生率が低下する一方だった場合の、疲弊した近未来日本が書かれている。

 著者は学者や評論家ではない。会社経営者である。それだけに、現実的な視点だと思う。

 生産人口が減少するならば、どんな国であっても経済力の衰退は必至である。国防や治安の維持も困難になる。人口減による国力の衰退の前には、どんな経済政策も焼け石に水となろう。

 それにしても、人口減でそれなりに豊かな社会になるとか、住宅問題も解消されるとか、渋滞が緩和されるとかの、無責任(わざと?)なデマが多すぎる。

 目立つところでは、森永卓郎独協大教授は、少子化で一人当たりに教育費がかけられるから生産性が上がるなどど、根拠がまったくない言説を吹聴している。

 無茶苦茶である。普通に仕事をしていれば、人手があるかどうかが非常に大きいことは誰でも知っている。教育費をかけたところで、生身の人間が劇的に進化するわけではない。教育費によって人間の生産性が上がるというなら、戦前よりも、平成の日本人のほうが、平均的な知力がはるかに優っていなくてはならない。まあ、この電波芸者の言説にムキになっても仕方ないか・・・

 

 人口が減れば、渋滞がなくなるかもしれないが、道路そのもののメンテナンスができなくなるだろう。建設国債が償還できなくなる。内需が激減し、GDPは急速に低下する。

 住宅が余ることになれば、建設業者は潰れまくり、失業者が続出するだろう。長距離通勤がなくなり、電車が空けば、間引き運転になるだけであろう。そして、いまある路線が、終点を手前に持ってくることになる。

 国際競争力を強化することによって、経済成長を続けるなどどいうが、相手は世界である。そんなにうまくいくのかいな?だったら、ゆとり教育なんてとんでもない。

 本書は、すべての政治家、官僚、教育関係者が一読する必要がある。そして、

 「産まない選択ー子供を持たない楽しさ」の著者が少子化担当大臣になっているのが、2010年の日本である。

 

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